インタビュー
大学入学と同時にまさかのコロナ禍生活
コロナ禍での大学生活。そして留学準備
2020年3月、私が高校卒業した頃から世界中でコロナ感染の波が高まり,私たちの生活にもあらゆる制限がかかるようになってきました。
それでも,1か月後私たちが大学に入学する頃にはこの混乱も収まり,
私のキャンパスライフは先輩が送っているようなキラキラしたものになるだろうと当たり前のように思っていました。
ところが事態はどんどん悪化して毎日のように増える感染状況で報道は一色,
大学に入学しても,キャンパスに通うことすらできずオンラインで授業が開始されても私が描いていた”日常”は遠のく一方でした。
当時は留学に出発された先輩方が,現地で授業が受けられない状況になって
やむを得ず日本に帰国する状況になっているという現実を聞いて,正直怖気づいてしまいました。
状況が刻一刻と回復しない中で,自分の夢だった長期留学も叶えることが難しいのではないかという不安の毎日が過ぎていきましたが
それでも留学への夢を持っていた私は,今できることは「アクセスできない海外ではなく日本国内にある」と信じて留学準備を進めました。
そして,留学準備の一つとして選んだのが,学部に所属しながら学べるグローバル人材育成特別コースに入って活動することでした。
グローバル人材育成特別コースでの活動と出会い
グローバル人材育成特別コースをめざした理由は,将来グローバル人材として活躍したいという思いがあったのと,
また海外に憧れを持っていて切磋琢磨し合える同士を求めていたからです。
実際,このコースに入ってからコースで紹介されるさまざまな授業や国際交流イベントへの参加といった国際的な活動を通して
先輩後輩関係なく,将来のグローバル人材となりうる学生たちと出会うことができました。
このコースのはいろんな学部の学生がいるので,自分の学部以外にも
海外を舞台に活躍している仲間と出会えたことは励みになりました。
仲間が頑張っているからこそ、自分はどうすれば自分を磨くことができるのかという発破をかけることができたと思います。
Gコースでの活動の一部
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- ・ASEAN拠点事業:Academicセミナーの進行役
- ・CLSプログラムのランゲージパートナー
- ・MUN(模擬国連)
- ・成均館大学韓国語語学研修(オンライン) など
入学してから2年間はコロナ禍の中での大学生活でしたが、できることはゼロではありませんでした。
時間を無駄にせず、「自分の長期留学するんだ」という強い意志があったからこそ目標に向かって、
地道にオンラインでできるいろんな活動にトロ組,地道に語学力や国際感覚を衰えないように努力を続けて自分を磨きました。
できることは最大限に取り組み準備を怠りませんでした。それら身を結び、EPOK留学に繋がったと確信しています。
コロナ禍での留学
そしてついに留学の夢を叶えました。
私は,EPOK(Exchange Program for OKayama University)という岡山大学の交換留学制度を利用しました。
EPOKのメリットは,学費も変わらず留学・単位交換が可能なことです。
数ある協定校の中から選んだのは大韓民国ソウルにある成均館大学です。
ここで1年間,充実した留学生活を送ることになりました。
初めて訪れる国,初めての海外長期滞在,初初めてだらけの海外生活で心が高鳴りっぱなしだったことを今でも記憶しています。
コロナ禍をふりかえると,当時は海外に行くことも制限されていて留学することも厳しい環境にあったので,
両親への説得,自分自身の安全確保,先の見えない不安,モチベーションの低下など様々な壁がありました。
それでも夢をあきらめずに語学を鍛錬したことは自分を支える自信となり,留学を決意・実行につながったと思います。
今思えば,コロナ禍での留学・留学準備がすごくしんどかった分
渡航してからはのびのびと活発に行動することができました。
きっと日本での苦難の日々の中でエネルギーをじわじわ倍増して蓄えてきたのだと思います。
「なぜ留学先を韓国にしたのか?」 この質問は留学中から今まで何百回と聞かれました。
「韓国という国に関心がとても多かったから」と答えることが正直だと思います。
Kpopや韓国ドラマなどの韓国大衆文化に触れる中で韓国語に興味を持って聴き始めましたのがきっかけですが
大学入学後,私の所属するグローバル・ディスカバリー・プログラム(GDP)で鄭幸子教授が開講する
”Cross-Cultural Experience”, “Korean Diaspora”,や“Popular Culture”などの授業を通して
在日韓国人の歴史を知ったことも私の韓国への関心をより深めるきっかけとなりました。
授業で韓国併合についても詳しく学んでいくうちに,
日本が行っていた植民地の歴史や傷跡など最初は目を背けたくなるような内容にショックを受けながらも
一人の日本人として,また韓国大衆文化好きの一人の人間として
私がまだまだ知らなければいけない歴史や文化も多いのではないかと思いました。
そして,こんなにも韓国が好きならばもっと深いところまでとことん知り尽くしたい!と思い,韓国留学を決意しました。
留学を決めてからは牛窓の朝鮮通信使のイベントや岡山韓国教育院に通ったりしながら留学準備を進めました。
成均館大学校は,文系から理系まで幅広い分野での研究が盛んな総合大学で韓国ではトップクラスに準じるレベルといわれています。
私が通ったのは文系や芸術系の学部が集まるソウルのキャンパスです。
韓国大衆文化や映像制作に関心が高かった私は,成均館大学の映像学科で映像制作や編集などを中心に勉強しました。
もちろん韓国語の授業やアジア文化などの授業も同時に履修しました。
コロナ禍にありながらも韓国ではいち早く留学生の受け入れを開始していたこともあって
成均館大学にも世界中から多くの留学生が集まっていました。
当時の岡山大学では叶わなかった対面でのMulticultural Discussionを体験することができた私はここでたくさんのパワーを浴びます。
学費を無駄にしたくないという思いから,私は留学生にはありえないくらい現地学生顔負けの授業数を履修して最大限の知識を吸収し学びました。
また大学以外にも現地の高校生との交流会や学生会議などにも積極的に参加して学外交流にも精力的に臨みました。
留学生活にも慣れた頃,ひょんなご縁から女子バスケ部があることを知り体験することになりました。
メンバーと意気投合した私はついに入部することになります!
それからは留学生活の多くの日々をバスケ部の友達と共にすることになります。
語学力以外にバスケという日本での経験値を持っていたことが功を奏しました。。。
ひょんなご縁から参加した留学先での部活動ですが,ここでも素敵な出会いと多くの学びがありました。
当初は韓国語で上手に伝えられなかったのも,英語やハンドジェスチャーを工夫しながら一つ一つ丁寧に教えてもらったおかげで
今では彼女たちと韓国語で冗談を言って笑い合えるまで語学力がぐんと伸びました。
私を成長させてくれた彼らは私の大好きな韓国語の母たちといえます。
留学先では友達や家族に会えないため寂しい思いをする経験に時々あるそうですが
私にはこんなにも素敵な友達兼家族がいたおかげでホームシックにかかることはなく楽しさと充実度満点の留学生活を送ることができました。
むしろ,日本に帰国してきてからのほうがホームシックな状態になったほどです(笑)
留学してどんな力が身についたか・・・ひとことで語るのは難しいですが,
「自分が努力すれば可能性を広げることができる」という自信がつきました。
コロナ禍を乗り切って留学を無事に成功させたことで確実に自己肯定感が上がりました。
これは語学力(英語・韓国語)はもちろん,留学を通して身についた大きな財産の一つです。
またマルチリンガルに囲まれた生活環境によって,
もっと世界を知りたい,他の国の言語や文化も学びたいという関心や学習意欲も芽生えました。
私にとって留学は夢でしたが,ここがゴールではありません。
留学という貴重な経験を糧に,ここからは将来の自分の目標の一つである
国際連合(United Nations)下部組織で働くという夢に向かって前進していきたいと考えています。
その目標に向かっての一つのステップとして,
帰国後も模擬国連や2023年5月に開催されたG7広島サミットで通訳ボランティアスタッフなど
興味のある活動の機会には積極的に挑戦しています。同時に海外大学院進学の準備もしています。
留学をきっかけに大切だと思ったのが日本文化の発信です。
海外では日本のことを聞かれることがたくさんありました。
そのときもっと自分が日本文化についての勉強を深めないといけないと感じました。
私が大学1年生の時に開始したFurisode Myself Projectというプロジェクトをベースに
日本の伝統文化である着物文化を海外へ発信していくことを自分たちなりに精一杯頑張っていきたいです。
留学での経験はひとりひとり違いますが,私自身は本当にかけがえのない経験と成長を留学によって得ることができました。
この経験を後輩たちに伝えることで 留学に行きたいと思う学生がひとりでも増えてほしいと願っています。
私も知恵ある先輩たちから留学に行く際アドバイスを受けてきた一人として,
やる気のある後輩たち,留学に興味のある後輩たちの留学へのモチベーションを高めて
さらに広がっていくことのできるような存在でありたいです。
岡大に帰ってきてからの一コマ
Gコースから推奨されるお知らせや案内の中には貴重なイベントがたくさん!その中の一つでもある、「アブゼ・ジグマ王女との記念トークセッション」に私も帰国後参加し、ひとりの学生としてお話を聞きました!最後まで粘ってみて隙をみて個人的に質問をすると、最後には記念写真まで撮っていただきました。このように卒業するまで、Gコース生として最後まで機会を見逃さないように活動していきたいです!皆さんも是非グローバル人材の第一歩としてGコースの一員になりませんか?
♠♣♥♦ プロフィール ♦♥♣♠
- 大原綾華(おおはらあやか)岡山県倉敷市育ち
- 岡山県私立金光学園中学高等学校出身
- 趣味は運動
- 好きな韓国ドラマは「梨泰院クラス」
- 2019年3月Japan Society主催のJunior Fellows Leadership Programに
日本から10名のフェローに選抜され米国でのホームステイ・リーダーシップ研修に参加 - 2020年4月岡山大学グローバル・ディスカバリー・プログラム入学
- グローバル人材育成特別コースに所属
- 日本国際学生団体ISA入部
- バスケサークルAperitif入部
- 2020年12月 Furisode Myself Project 始動 https://www.instagram.com/furisode.myself/
- 2022年1月〜12月 成均館大学芸術学科映像学部交換留学
- 2023年5月 G7広島サミットで通訳ボランティアスタッフ
- 2023年8月 2023 ICM Model UNESCO Conference参加
★バスケ入賞歴★
- 2022年7月 Tie 3rd place at Korean University Sports Federation CLUB CHAMPIONSHIP 2022 (KUSF 클럽챔피언십 2022 여대부 공동3위)
- 2022年8月 3rd place at THE PROCESS 2022 (2022 하늘내린인제 THE PROCESS 농구대회 여대부 3위)
- 2022年10月 1st place at YOUTH 3X3 CLUB CHAMPIONSHIP 2022 (정소년 3×3 클럽챔피언십 2022 대학부 1위)
- 2022年12月 Tie 3rd place at KUSF THE FINALS 2022 (KUSF 클럽챔피언십 THE FINALS 여대부 공동3위)
★学生会議経験★
- 2021年7月 JUEMUN (Japan University English Model United Nations Conference)参加
- 2022年2月 第62回日韓学生会議 実行委員長
- 2022年8月 第18回北東アジア青少年フォーラム参加
- 2022年12月 第6回日韓パートナーシップ参加
★受賞歴★
・第22回岡山県韓国語スピーチ大会学生部銅賞
・The 3rd place at User Created Contest at Sungkyunkwan University International Summer Semester