かがやく先輩

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現地レポート

EPOKバディ~留学生との交流体験~ / 薬学部創薬科学科 玄馬久里愛さん

薬学部創薬科学科 玄馬久里愛 
EPOKバディ:ゲント大学(ベルギー)からの交換留学生 
 
EPOKバディとは? 
岡山大学と協定を結ぶ海外の大学からEPOK交換留学生として来日した留学生の
ペアバディとして日本での生活をサポートし
またよき友人として様々な交流を経験できる岡山大学の制度です。

詳細はこちらをクリック

 

意外に日本のことをよく知ってる留学生に驚き! 国際交流に先入観はいらない 
 約半年間に渡る私のEPOKバディ経験で,
一番の感想は「自分は思ったより海外の人に対する考えが堅すぎていた」ということです。
 

私のバディとなった留学生の女の子は,想像していたよりもずっと日本語が上手で,
日本での食事についてもよく知っていました。 
交流を始めたばかりの頃は,英語を使って連絡したり会話をしたりしていたのですが,
日本語も勉強したいという彼女と話し合い,
後半の3ヶ月は逆に日本語をできるだけ多用しながらコミュニケーションを工夫するようにしました。
 
彼女はベルギーにいる時からアジアのスーパーやレストランで日本料理を食べていたそうで,
私が教えるまでもなく既に知っている料理も多いことに驚きました。
私はそんなこともつゆ知らず,例えばラムネなどはきっと初めてに違いないと思って紹介したのですが,彼女は知っていました。 
 

「日本食はやっぱり日本で食べる方がベルギーで食べるより安いし美味しい」など,双方の国を比較しながら,
わかりやすく感想を伝えてくれる彼女と接するうちに,
むしろ世界のグローバル化について行けていないのは私の方かもしれないと感じるようになりました。
 
相手と上手にコミュニケーションをとりたいと思う気持ちが,
ついつい「たぶんこうだろう」とイメージした先入観や固定観念にとわられてしまっているのかもしれない,
Gコース生としてもっと柔軟に受け止めて対応できるようになりたいと思うようになりました。  
 
 
うどんやスフレなど一緒に食事しながらたくさん会話しました(写真は留学生)
 

 

 

お互いのことを知ろうとすれば会話も弾み,知識が増えていくのが楽しい 
今回初めてEPOKバディになった私は,
「交流のための十分な時間を確保してあげられるかな?」「日本をどうやって紹介しよう」など,
不安や緊張や楽しみが高まる余り,会う前からいろんなことを考えすぎていました。
 

しかし実際にバディとしての交流が始まると,
お昼ごはんを一緒に食べるように心がけるだけでもたくさん会う機会が増えて,
そのたびにお互いに知りたいことを質問し合い,想像していたよりもずっと楽しい時間を共有することができました。 
 

例えば,ベルギーには公用語が3つあることや,ベルギーのワッフルは2種類あること,
またベルギーでは雨がよく降るけれども,傘はあまり使わないことなど
自分で調べてもわかるようなマメ知識から,その国の人だからこそわかるようなディープな情報まで,
彼女と交わした多くの会話を通じていろんなことを学ぶことができたと思います。
 

私も彼女に日本語で話しかけるときには単に日常会話で終わるのではなく,
オノマトペの具体例を用いながらわかりやすく解説するように説明しました。
 

岡山城がなぜ別名で「烏城」と呼ばれるのかについて質問された時には,
岡山城について調べて,カラス(烏)のように
黒い板張りの外観からそのように呼ばれるようになった経緯と成り立ちを詳しく教えるうちに,
いつのまにか自身も岡山や日本について知識を深めることができたのでまさに一石二鳥でした。 
 
 
お出かけ先でのコミュニケーションは「考える」「やってみる」の連続 
お互いに一生懸命伝えようとするちょっとした努力の積み重ねが大切な経験になる 
一つ一つの経験はささいなものかもしれないが,交流を重ねて身に付けた知識や経験は,
今後,語学研修や旅行などさまざまな機会で海外に渡航するときにも役立つと実感しています。
 

反省点を挙げるとしたら,自分のこと(趣味など)を聞かれた時にすぐ答えられなかったことです。
自分を十分に理解しきれていないと,
自分のことなのに意外と他の人に説明できないものなのだということに初めて気づき,
自分を掘り下げる良い機会になりました。 
 

  
          倉敷美観地区に出かけた時の様子 
 

 

 

バディとの交流の中で1番楽しかったのは倉敷美観地区に行ったことです。
かねてより楽しみにしていた日本の涼やかで華やかな浴衣は彼女にとても似合い,
アイビースクエアや新渓園などいろんな観光スポットでたくさん写真を撮りあって楽しみました。
 
彼女はミッフィーがほんとうに大好きで,
巨大なミッフィー蔵がトレードマークになっているパン屋さんでは,
子供のように楽しそうに活き活きとはしゃいでいました。
 
 
大原美術館では,岡山の高梁市出身の画家である児島虎次郎が収集した美術品をもとに,
倉敷屈指の地主大原家が創設した美術館の歴史などを学びながら,
展示されている美術品の数々を鑑賞して回りました。
 
児島虎次郎がベルギーのゲントにある美術アカデミーに留学した経験があったことを知って,
ゲント大学から留学してきた彼女との共通点を発見できたこともとても嬉しくて興味深かったです。
彼女も興味津々で多くの絵画や美術品を楽しんでくれたので,倉敷を代表する美術館に連れてきて良かったと思いました。 
 

日本史好きの彼女は,特に江戸時代に興味があったので岡山城にも観光に出かけました。
日本語での説明が多いので,理解するのが難しそうでしたが,
「大名」や「家来」など知っている単語を頼りになんとか努力して理解しようとしていました。
 

私も天守閣に登ったときに「シャチホコ」の説明をしようと張り切ったのですが,
肝心の英語がなかなか出てこなくて,結局翻訳アプリに頼りながらも自分なりに頑張って伝えました。
彼女と一緒に過ごす時間の中でこうした経験をするたびに自分も英語をもっと勉強しなければと思いました。
二人でワクワク一番盛り上がったのは一階の体験展示ブースです。
レプリカの火縄銃や太刀,脇差を実際に手にしてみると彼女は「思ったより軽い」と驚いていました。
展示されていた大名籠にも挑戦,二人とも恥ずかしがりながらも実際に乗ってみると,
ただ展示を鑑賞するだけでは味わえない面白さや楽しさを感じることができました。  
 
 

  岡山城では歴史を学んだり,レプリカの火縄銃や太刀,脇差など展示物で武士の時代を体験

 

 

 

観光だけでなく,お互いの時間を合わせて彼女が食べてみたいメニューからお店を探して,
スイーツやお昼ごはんを一緒に何度も食べに出かけたのも楽しい思い出です。
うどんやスフレパンケーキなどいろいろ挑戦しましたが,
中でもラーメンはベルギーのとは違い味が濃くて美味しいと彼女に好評だったので2人で二度も食べに出かけました。
 ちなみにベルギーでは日本食や他のアジアの料理は基本的に味が薄いそうです。
よく日本人が海外に行くと日本食が恋しくなるという話を聞きますが,
その理由の一つは味の濃さの違いもあるのかなあと彼女の話を聴きながら思いました。
海外に行くときは,日本と海外では環境や文化,
食事などさまざまも異なるギャップも考えた上で準備をしていく必要があるということをあらためて感じました。
 

最後の方はお互いにテストが忙しくなって交流が少なくなってしまったのは淋しく残念でしたが,
将来,私がドイツ語で語学研修に行く時に再会する約束をしたので
いつか再会できるのを楽しみにこれからも語学の勉強に励みたいと思います。