かがやく先輩

Play on a global stage

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現地レポート

岡山大学グローバル人材育成院 ヨーク大学夏季オンライン研修 / 文学部人文学科 藤田とも

 

 

1、プログラムの概要

私は1年生の8月、約2週間ヨーク大学の夏季オンラインプログラムに参加した。

平日の計10日間、1時間のリアルタイム型オンラインクラスを1日3回受け、私は16:30~20:00のコースに出席した。

このプログラムは、英語による授業やディスカッションを通してイギリス文化やヨークについて学び、グループで一つのテーマを選んで最終日にプレゼンテーションをするというものだ。プログラムが開始する前から、クラス分けテストやヨーク大学のITアカウントのセットアップなどオンラインプログラムならではの作業があった。

そして私が参加したクラスは先生4人と学生20人で構成されており、そのうち日本人学生が17人で中国人学生が3人だった。

主に2人の先生が授業を担当して下さった。また授業内容は大きく3つに分類できる。

1つ目はイギリス・ヨークの文化や社会についてのもの。

2つ目はディスカッションやプレゼンに関するスキルを学ぶもの。

3つ目は現地の学生やホストファミリーとの交流を目的としたものである。

どの授業でもクラスメイトとのディスカッションタイムが設けられていたため英語を話す機会が十分に用意されており、

オンラインとは思えないほど充実した内容だった。加えて、グループで自主的にミーティングを開いて授業外の時間を使ってプレゼンの準備を進めた。

今回のプログラムでは、Googleサイトを用いたウェブサイト作成とGoogleスライドを用いたスライド作り、

そしてGoogleEarthを活用して視覚的にヨークのバーチャルツアーをすることがプレゼンの内容に盛り込まれていた。

なかでも、今まで利用したことがないGoogleEarthでの作業が最も大変だった。

GoogleEarthとは、3D版Googleマップのことである。

発表当日のネットワークトラブルを防止するために、私のグループは事前に動画を作成してプレゼン中に再生するという方法をとった。

またLearning Logという振り返りシートの提出が1週間ごとにあり、その週に学んだ英単語やイギリス文化、次週の目標などを記入する必要があった。
ここからは、特に印象に残った授業や活動についてまとめる。

 

 

2-1、バーチャルツアーについて

授業の中のひとつに「バーチャルツアー」というものがあった。

現地にいる先生が自分でヨークの街を歩き、カメラを通して学生に街並みや建造物を見せてくれるというもので、全部で3回行われた。

今は海外に足を運ぶことができない状況だが、この授業のおかげでまるで自分がヨークにいるような気分を味わうことができた。

またそれと同時に、もう一人の先生がヨークの歴史についての講義をしてくれた。

聞き慣れない地名や言葉が多く、複雑な説明を英語で聞き取るのに苦労したが、画面を通して実際の建物を見ることで理解が促進された。

特に興味深かったのは、ヨークの道にはそれぞれの特色があるということだ。

例えばシャンブルという通りには昔は精肉店が多く、肉を並べるために窓枠の下部が荷物置きのように出っ張っていたり、

できるだけ長く肉を保存するために、通りの幅を狭くして日光が差し込むのを防ぐなど、様々な工夫が施されていた。

この授業では高度なディスカッションはなく、ヨークの景色と歴史に焦点が当てられていたので息抜きにもなった。

プログラム開始前は、毎日3時間もオンラインクラスを受けるのは大変そうだという印象を私は持っていたが、

実際はこのようにレクリエーション要素を含む授業もあるため、楽しみながら参加することができた。

 

 

2-2、ICA(International Conversation Afternoon)について

この授業は、このプログラムに参加している他のクラスの学生やヨーク大学の留学生らとディスカッションをするというもので、

毎週水曜日に行われた。100人以上が参加しており、ブレークアウトルームで4、5人に分けられ、ディスカッションテーマは毎回異なった。

私はメンバーのほとんどとは初対面だったので、交流を通して様々な考えを聞くことができて面白かった。

ICAを通して学んだことは、積極的に参加する姿勢の大切さである。

私は自分の英語力に自信が持てず、一週目のICAではあまり発言することができなかった。

だが他の学生の英語も完璧という訳ではなく、文法のミスがあったり言葉に詰まったりすることもあった。

しかし、彼らはジェスチャーや表情を工夫して自分の意見を伝えようとしたり、素早く反応したりと、積極的だったことに私は気付いた。

そこで次の授業からは、間違いを恐れずに相手とのコミュニケーションを楽しむことを私は心掛けた。

すると自然と会話も弾み、議論の内容もより充実したものになった。

ICAは他のクラスよりもレベルが高く、英語で上手く表現できない悔しさを感じることもあった。

だが日本人が多い通常の授業とは違い、世界中のネイティブスピーカーと英語で意見交換ができたことが自信につながった。

 

 

2-3、プレゼンテーションについて

プレゼンの準備において最も大変だったことは、英語でコミュニケーションをとりながら進めたことだ。

先生は授業時間外のことについては言及しておらず、

私のチームメンバーは全員日本人だったため日本語で会話をすることも可能だったが、私たちのチームはすべて英語でやり取りをすることにした。

その結果、プレゼンのテーマや内容はスムーズに決めることができたが、

意外なことに、「文字を太くしてほしい」、「画面録画した映像をアップロードする方法を教えてほしい」などの事務的な事柄を相手に伝えるのに苦労した。

今まで英語を使って他の人とパソコン上での作業をしたことがなかったので、少しのことを伝えるだけでも多くの時間が掛かった。

だが、すべての作業を終えたときは達成感に包まれ、とことん英語と向き合うことで有意義な時間を過ごすことができたと感じる。

さらに私たちのテーマは「アフタヌーンティー」だったので、クラスメイトの興味を引くような楽しい発表になるよう心掛けた。

なかでも最も工夫したのはGoogleEarthツアーである。

動画ではヨーク・セントへレンズ・スクエアの景色を紹介するので、私たちがヨークを観光しているという設定にして建物の紹介の合間に会話を挟んだ。

このようにチームワークを活かした一体感のあるプレゼンを短い期間で作り上げることを通して、初対面の人との関わり方も学ぶことができた。

発表後には、あなたたちのグループのようなチームワークを築く方法を教えてほしい、と尋ねてくれたクラスメイトもいたのでとても嬉しかった。

プレゼンに向けて準備しなければならないことが多く間に合わないのではと思うこともあった。

また本番も緊張して手が震えたりしたが、最終的には英語を使うことを楽しみながら満足のいく発表をすることができて安心した。

このプログラムで学んだプレゼンテーションスキルを他の場面でも活かし、

英語でのプレゼンをする際には今回よりもいいものを作りたい。

 

 

2-4、ホストファミリーとのミーティングについて

各チームにホストファミリーが割り当てられ、プレゼンのテーマに関する質問をしたり、

日常会話をオンラインで楽しんだ。私は相手の英語が聞き取れるか不安だったが、

私たちのホストファミリーは優しくて親しみやすい方だったので、

終始楽しい雰囲気で会話をすることができた。

また相手が言っていることが聞き取れないとき、以前の私は聞き返すことに抵抗があったが、

そのせいで会話が止まることが多かった。

そこで、今回は分からないことはすぐに相手に尋ねるように心がけた。

最初は勇気が必要だったが、

ホストファミリーが嫌な顔一つせず丁寧に説明し直してくれたおかげで抵抗感がなくなり、

分からないことを素直に尋ねられるようになった。

さらにホストファミリーは日本の文化や生活についても質問してくれたので、

自分の国に関心をもってくれていることが感じられて嬉しかった。

私も相手のバックグラウンドを理解しようとする姿勢を大切にしたい。

 

 

3、まとめ

私は今まで海外に行ったことがないため、今回が初めて参加する留学プログラムであった。

開始前は不安しかなかったが、いざ授業が始まると夢中になり時間があっという間に過ぎていった。

このプログラムでは、英語でコミュニケーションをとるときに大切にするべき基本的なことが学べたように思う。

正確に話すことももちろん重要だが、「母国語じゃないから多少間違えても気にしない」という気持ちで思い切って発言することも大事だと感じた。

またクラスメイトとは連絡先を交換し、同じプレゼンテーショングループのメンバーとは、プログラムが終わった今でも定期的にZOOMで会って英語で話している。

自分の意見をうまく伝えられなかったりとまだ課題は残っているので、このオンラインプログラムを一つの通過点にして英語学習を継続するつもりだ。

卒業までの間に多様な国際プログラムに参加し、今後も自分の経験値を蓄積していきたい。