現地レポート
大学生協主催 シドニー異文化体験ツアー
文学部人文学科 長谷川 和奏
医学部保健学科看護学専攻 藏田 茜
【参加の経緯】
私たちがこのツアーに参加したのは、中学3年生の時に予定されていたオーストラリアへのホームステイが新型コロナウイルスの影響で中止となってしまい、悔いが残っていたからです。
また、パンフレットを見た際、過去に参加した方々が充実した体験をされており、このツアーに参加したいという思いが強くなりました。
大学生となって初めての夏を有意義なものにするために、またコロナの規制が緩和された今が海外に行くチャンスだと思い、参加を決めました。
【プログラム内容】
約1週間(8/26〜9/2)シドニーに滞在し、現地の人との交流を通し、異文化を体験するとともに英語を使ったコミュニケーションの実践に取り組みました。また、ツアーへの参加やユダヤ博物館の見学を通してオーストラリアの歴史や文化を学びました。
【主なスケジュール】
グループ別行動の際の行き先は、班ごとに全て自分たちで決めることができました。ここでは一例として、私たちが行った活動を紹介します。
6月〜8月 | 事前学習会、英語学習会など |
8/26 | 羽田空港出発 |
8/27 | シドニー国際空港到着 Rocks tour |
8/28 | シドニー大学訪問 グループ別行動: China Town セントメアリー大聖堂 ショッピングセンター Potluck Party |
8/29 | アボリジナルツアー(もしくはコカトゥー島) グループ別行動:タロンガ動物園 |
8/30 | グループ別行動:パディントン散策 Sydney Jewish Museum訪問 グループ別行動:オペラハウス |
8/31 | グループ別行動:ブルーマウンテンズ |
9/1 | グループ別行動:ショッピング まとめの会 空港へ移動 |
9/2 | 羽田空港到着 |
【活動】
・事前学習
6月からシドニー出発までの間に、7回の事前学習会がありました。事前学習会では、オンラインで英語の先生から現地で使える英語のフレーズを学んだり、2〜3人のグループを作って会話練習や、それぞれが考えたフレーズの共有をすることでシドニーに向けて準備することができました。事前学習会で、会話の際に気をつけるべきことや、フレーズを準備できたことによって実際にシドニーで現地の人と英語での会話をする際に落ち着いて会話することができました。
・シドニー大学訪問
シドニー大学の学生の方が、各班に1人ずつつき、シドニー大学を案内してくださいました。その後、班ごとに交流会が行われ、シドニー大学の学生さん6名とお話しすることができました。学生さんたちは音楽をはじめとした日本の文化に興味を持っている方が多く、共通の話題で盛り上がりました。他にも自身の学部や趣味を話し、日本とシドニーの違いに気づくことができたり、シドニー大学の方からの質問を通じて、日本の文化や言葉について改めて考えるきっかけになったりと有意義な時間を過ごすことができました。
学生さんと仲良くなったことでその後のグループ別行動にもついてきてくださり、おすすめのごはんを教えていただき一緒にChinatownで昼食をとったり、セントメアリー大聖堂に行ったり、さらにはスーパーでの買い物を手伝ってくれたりしました。
道中での会話により、英語でのコミュニケーションを楽しむことができるようになりました。
・アボリジナルツアー
現地のガイドの方がアボリジニの文化を教えてくださいました。アボリジニの言葉での土地の呼び方を教えていただきながら街を散策し、過去の海岸線の位置や、建物の作り方など今の街並みに残っているアボリジニの歴史や文化を体感することができました。また、ブーメランや、アボリジニの人々が使っていた武器や楽器を実際に触らせていただくといった貴重な体験もしました。
草から甘さを得ていたというアボリジニの方の食生活を実際に味わうことで体験したり、草による編み物を実際に自分たちで行ったりしたことで、アボリジニの人々の生活についても深く学ぶことができました。
・ユダヤ博物館
ユダヤ人の子孫の方にユダヤ博物館を案内していただき、展示物についての説明を聞いたり、ホロコーストを生き抜いたサバイバーの方の体験談を聞いたりすることができました。
日本にいると、ユダヤ人の方への差別を実感することは少ないですが、ユダヤ博物館を訪れて、子孫の方やサバイバーの方のお話を伺うことで、実際に起きた出来事であったという実感や、2度と同じような歴史を繰り返してはいけないという強い決意を感じることができ、今も各地で戦争が起きていることからもわかるように、人種による問題は決して過去の問題ではないということを改めて学びました。
・グループ行動
タロンガ動物園では、コアラやカンガルー、エミューなどのオーストラリア固有の動物を見ることができました。動物園の中でも、他のお客さんと交流することを通じて英語を使うことができました。
パディントンという町を散策する中で、犬の散歩をしている人と話し、犬を触らさせてもらったり、昼食の際にグループのみんなと英語でのワードウルフに挑戦したりするなど、自分たちで工夫して英語を使うように意識しました。本屋さんに行き、日本の漫画の英語版を見つけて、日本の文化が海外に広がっていることを感じました。
オペラハウスを訪れた際に、そこに来ていた現地の方におすすめのハンバーガー屋さんを聞いたのですが、すぐに見つけることができず、そこまでの行き方を多くの人に尋ねながら店へ向かいました。大変ではありましたが、たくさんの現地の人との会話が楽しめ、おいしいハンバーガーを食べることができたので良い経験になったと思います。
ブルーマウンテンズまでは電車で2時間ほどかかるのですが、その車内で現地のおじいさんと長時間会話をしました。ブルーマウンテンズでのおすすめのお土産屋さんを教えてもらったり、普段の生活を話し合ったり、と会話を楽しむことができました。最終的には一緒に写真を撮るまでに仲良くなることができた上、こんなにも長時間英語で話した経験は自分の中で自信につながり、忘れられない時間となりました。
車内には話すのを控え、静かにしておかなければならない車両があり、日本との文化の違いも感じました。
ブルーマウンテンズからの景色を見て、自然の雄大さを感じることができたとともに、観光に来ていた様々な国の方と挨拶をしたり、一緒に写真を撮ったりすることができました。相手の国の有名なものの話で盛り上がる場面があるなど楽しく会話をすることができました。
・朝の会、夜の会、まとめの会
シドニー滞在中は、毎日朝の会と夜の会が行われていました。朝の会では、その日1日の目標を決めて共有することで、自分が頑張る内容を明確にすることができました。夜の会では、その日の出来事を振り返り、使うことができた会話表現や、学んだこと、うまくできなかったことを共有することで、反省点を明確にし、翌日に活かそうと意識付けることができました。一人一人に配布されているMY JOURNALという冊子を用いて、その日学んだことを書き留めたり、自身の目標を記録したりすることができ、短いシドニーでの滞在をより有意義なものにすることができました。
【まとめ】
医学部保健学科看護学専攻
藏田 茜さん:
私は今回が初めての海外で、英語での会話にとてもわくわくしていました。実際に現地に行ってみると、予想とは裏腹にスピーキングよりもリスニングが難しく、次第にリスニングに苦手意識を持つようになりました。しかし、グループのみんなに相談したり、グループ内でも普段からなるべく英語で会話するように意識したり、ワードウルフに挑戦したり、また、得意・不得意を補い合ったりしたことで自信がつき、最終的にはリスニングも難なくこなすことができるまでに成長することができました。外国の方とのコミュニケーションが心から楽しいと思え、ツアーの後半には自分からどんどん話しかけに行き、帰る頃にはもっともっと英語での会話をしたいと思うほどでした。
私がこのツアーで感じたのは、世界がとても広いということでした。現地で1番感動したのは、シドニーにいる方々全員がとても優しかったことです。話しかけた時は、みんな優しく笑顔で応えてくれ、会話をする度に心が温まるように感じました。今まで過ごしてきた日本という狭い空間から飛び出し、シドニーで過ごしてみたことで、自分にはまだまだ知らないことがたくさんあって、さらに広い世界を知りたいと思うことができました。これからも英語の学習に一生懸命取り組み、様々な国の方々とコミュニケーションが取れるようになりたいと思います。
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文学部人文学科
長谷川 和奏さん:
初めての海外は不安が多く、出発前は自分の英語力で本当にやっていけるのかとても心配でした。特に、ツアーの前半は、自分から英語で話しかけることのハードルがとても高いように感じていて、積極的に行動できていませんでした。しかし、他のツアー参加者の方がどんどん話しかけに行っている様子が自分にとっての刺激になったり、話しかけた現地の方が優しく応対してくださったという経験が増えたりするにつれて、だんだんと英語での会話を楽しむことができるようになり、もっと英語で会話したいと思えるようになりました。また、シドニーで現地のガイドの方から話を聞くことで、教科書などからでは学ぶことのできない、生きた歴史や文化を学ぶことができ、貴重な体験となりました。日本で普通に生活していると、外国の方と関わる機会はほとんどないと思いますが、シドニーは様々な国籍の方が住んでいる地域だからこそ、いろいろな国の文化が混ざり合っている様子を見ることができたり、様々な国から来ている観光客の方と交流することを通じて世界との繋がりを感じることができた点も印象的な経験となりました。今回のツアーを通して、もっと自分の考えを伝えたり、日本の文化などについて質問された際に答えることができるように英語の勉強をもっと頑張りたいというモチベーションを持つことができました。